差は、わずか3.8ポイントでした。ゴウリカ株式会社が2026年8月に人事300人へ聞いた調査で、中途採用にかかる費用が直近3年で「増えた」のは、採用が順調な企業で76.2%、順調でない企業で80.0%です。
大きな差が出たのは、費用面の課題でした。採用が順調でない企業の36.3%が「求人広告の掲載媒体や掲載数を増やさなければ採用できない」を挙げ、順調な企業の21.1%を15.2ポイント上回りました。
この記事では、求人広告の費用がどう決まるかを4つの課金形態で整理し、媒体を増やす前に決めておく3つの数字を、記入例つきで紹介します。
求人広告の費用はいくらかかる?
求人広告の費用は、媒体の料金表そのものより、どの課金形態で払うかによって決まり方が変わります。
課金形態とは、求人広告の料金が「何に対して」発生するかの決まりです。掲載した期間に払うのか、クリックや応募、採用という結果に払うのかで、同じ予算でもお金の減り方が違います。
金額の目安として、パーソルキャリアのdoda法人向け解説は、中途採用の求人広告の費用相場を月20万〜100万円としています。幅が広いのは、媒体・原稿の大きさ・掲載期間・職種で料金が変わるためです。
つまり「相場はいくらか」を調べるより先に、「自社は何に対して払うのか」を決めるほうが、予算の見通しが立ちます。
4つの課金形態はどう違う?
求人広告の課金形態は、掲載課金・クリック課金・応募課金・採用課金の4つに大きく分かれます。前の2つは「見てもらうこと」に、後の2つは「結果」に払う形で、後の2つはまとめて成果報酬型と呼ばれることもあります。
- 掲載課金型:掲載期間とプラン(原稿の大きさ)で料金が決まる。応募が0件でも費用は同じ
- クリック課金型:求人がクリックされた時だけ費用が出る。Indeedは無料で掲載を始められ、有料枠はクリックされた時だけ請求され、上限額も先に決められる
- 応募課金型:応募1件ごとに費用が出る。条件に合わない応募にも費用がかかることがある
- 採用課金型(成功報酬型):採用が決まった時に費用が出る。空振りは無いが、1件あたりの額は大きくなりやすい
どれが安いかは一概に言えません。応募が集まりやすい職種なら、掲載課金のほうが1人あたりの費用は下がりやすくなります。
反対に、集まりにくい職種で掲載課金を続けると、応募が0件のまま期間ごとに費用だけが出ていきます。その場合は、見られた分や結果に払う形のほうが無駄を抑えられます。
なお人材紹介は求人広告ではありませんが、採用課金と同じく結果に払う形です。手数料の考え方は人材紹介の手数料の記事で整理しています。
費用を増やしても採れない会社は、どこにかけている?
ゴウリカの調査では、中途採用の費用は、採用が順調な企業でも順調でない企業でも同じように増えていました。違ったのは、費用面で何に困り、どこにお金が向いているかです。

順調かどうかは「直近1年間の中途採用は順調に進んでいますか」への回答で分けています。
直近3年で中途採用の費用が「増えた」のは、順調な企業で76.2%、順調でない企業で80.0%。差は3.8ポイントにとどまりました。
一方、費用面の課題として「求人広告の掲載媒体や掲載数を増やさなければ採用できない」を挙げたのは、順調でない企業で36.3%、順調な企業で21.1%でした。
順調な企業で目立ったのは「ダイレクトリクルーティングにかかる費用が増えている」で32.0%(順調でない企業は25.0%)。広く載せるより、相手を選んで届ける手にお金が向いています。
媒体を足して増えるのは、求人が「表示される」回数です。表示はされているのに読まれない、読まれているのに応募が来ない場合は、足しても同じところで止まります。止まっている段の見分け方は応募が来ない原因を3段で切り分ける記事にまとめています。
この調査の対象は、従業員100人以上で直近1年に10人以上を中途採用した企業の人事です。小規模な会社にそのまま当てはまるとは限りません。
媒体を増やす前に決める3つの数字とは?
求人広告の予算は、1人あたりの上限・今回の掲載の上限と払い方・見直しの基準の3つを掲載前に決めておくと、「足すか、直すか」の判断がぶれません。
応募が来ないと、掲載の延長や別媒体の追加をその場で決めがちです。先に数字を置いておけば、その場の焦りではなく、決めておいた基準で次の一手を選べます。
1人あたりの上限は、人材紹介に頼んだ場合の手数料と並べると決めやすくなります。求人広告で採れなかった時に、次に何へ切り替えるかも同時に決まるためです。
① 1人あたりに出せる上限:経理1人の採用に60万円まで
② 今回の掲載の上限と払い方:掲載課金型で4週間、総額30万円まで
③ 見直しの基準:掲載2週目に応募が3件未満なら、媒体を足す前に仕事内容の欄と応募資格を書き直す
架空の会社の記入例です。
求人広告の費用の話は、つい「どの媒体がいくらか」の比較から始まります。ただ今回の調査が示したのは、差が出ているのは費用の量より、何に困り、どこにかけているかだという点でした。
求人広告は、求人票→応募→面談→内定→入社と続く候補者体験の、いちばん手前の一段です。入口の費用だけを増やしても、その先の段で候補者が離れていれば、払ったお金は入社につながりません。
転職先を探す一人の候補者からは、その求人がどの課金形態で出ているかは見えません。見えるのは、求人票に書かれた仕事の中身と条件だけです。
わたしたちが現場で見てきた候補者も、同じ求人を何度見かけたかより、一度読んだ求人票で「ここなら働ける」と思えたかで応募を決めていました。
媒体を足すのは、求人がまだ見られていない時の手です。見られているのに応募が来ない時は、同じ予算を求人票の書き直しや、相手を選んで届けるスカウトに回すほうが、順調な企業のお金の使い方に近い形になります。
今日からできる3つ
- いまの求人の「止まっている段」を数える
媒体の管理画面で、表示・閲覧・応募の数を書き出します。媒体を足して増えるのは表示だけなので、閲覧や応募で止まっているなら、足しても同じ段で止まります。 - 1人あたりの上限額を決める
人材紹介に頼んだ場合の手数料と並べて、求人広告に出せる上限を決めます。上限が無いと、応募が来ないたびに延長や追加で費用がふくらみます。 - 課金形態を職種ごとに選び分ける
応募が集まりやすい職種は掲載課金、集まりにくい職種はクリック課金や採用課金を候補にします。集まりにくい職種で掲載課金を続けると、応募0件でも期間ごとに費用が出るためです。
よくある質問
Q. 求人広告の費用の相場はいくらですか?
パーソルキャリアのdoda法人向け解説では、中途採用の求人広告は月20万〜100万円が目安とされています。媒体・原稿の大きさ・掲載期間・職種によって幅が出ます。
Q. 掲載課金とクリック課金はどちらが安いですか?
一概には言えません。応募が集まりやすい職種は掲載課金で1人あたりの費用が下がりやすく、集まりにくい職種はクリック課金のほうが、応募0件で費用だけ出る事態を避けやすくなります。
Q. 応募が来ない時は、求人媒体を増やしたほうがいいですか?
求人がほとんど表示されていないなら、媒体を足す意味があります。表示や閲覧はあるのに応募が来ないなら、足しても同じところで止まるため、先に求人票の仕事内容や応募資格を直します。
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出典
ゴウリカ株式会社「採用に関する実態調査2026」2026年9月29日公表・調査2026年8月・従業員100人以上の企業の人事部に所属し直近1年に10人以上を中途採用した正社員300人・ネットリサーチ gourica.co.jp
パーソルキャリア doda法人向けコラム「求人広告の掲載費用はいくら?料金体系や相場・予算感と成果を出すためのコツを解説」2025年1月31日 saiyo-doda.jp
Indeed「料金および有料オプション掲載について」 jp.indeed.com



