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ダイレクトリクルーティングの費用、成功報酬型と定額型の選び方──見積もり前の試算表

ダイレクトリクルーティングの費用、成功報酬型と定額型の選び方──見積もり前の試算表

ダイレクトリクルーティングの見積もりを並べると、料率や月額の安さで比べたくなります。けれど、どちらが安いかは料率だけでは決まらず、1年に何人採るかで逆転します。

成功報酬型には、初期費用0円で、採用が決まったときに入社時の理論年収の15%がかかるサービスがあります。一方、採用人数に関係なく期間で払う定額型のサービスもあります。

この記事では、ダイレクトリクルーティングの費用の2つの型、人材紹介との違い、そして見積もりを取る前に書いておく試算表1枚をまとめます。

ダイレクトリクルーティングの費用はどう決まる?

ダイレクトリクルーティングの費用は、採用が決まったときに払う「成功報酬型」と、期間で払う「定額型」の2つの型が基本です。基本料金と成功報酬を組み合わせたサービスもあります。

ダイレクトリクルーティングとは、企業が人材データベースから候補者を探し、スカウトを送って直接口説く採用手法です。求人広告のように応募を待つのではなく、会社側から声をかけます。

成功報酬型の例がリクルートダイレクトスカウトです。初期費用は0円、スカウトの送信数に制限はなく、採用が決まると入社時の理論年収の15%が採用決定手数料としてかかります。

理論年収とは、入社後1年間在籍した場合に想定される年収の総額です。一般的には「月額固定額(基本給+諸手当)×12か月+賞与」で計算します。

定額型は、月や年の単位で利用料を払う型です。何人採っても費用は同じなので、人数が増えるほど1人あたりは下がります。その代わり、1人も採れなくても契約期間の費用はかかります。

見積もりを受け取ったら、少なくとも次の5つが書かれているかを確かめます。

  • 初期費用(システム利用料・掲載の作成費など)
  • 月額・年額の利用料と、最低契約期間
  • 成功報酬が「料率」か「1人いくら」か、料率なら理論年収に何を含むか
  • スカウトの送信数の上限
  • 入社後すぐに退職した場合の返金の決まり

人材紹介と比べて安いのか?

ダイレクトリクルーティングは、手数料だけで比べれば人材紹介より安くなりやすい手法です。ただし、候補者を探して口説く手間が会社側に残ります。

人材紹介の手数料は、理論年収の30〜40%で設定している会社が多く、採用が難しい職種では40〜100%の例もあるとリクルートは解説しています。

理論年収600万円の人を1人採る場合で比べると、料率15%なら90万円、料率35%なら210万円です。差は120万円になります。

なお厚生労働省の集計では、令和6年度の常用就職1件あたりの手数料は約103万円でした。全職種・全年収帯をならした平均なので、上の年収600万円の例とは条件が違います。

この差の代わりに、会社側は候補者を検索し、経歴を読み、スカウトを書き、返信に答え、面談を組みます。人材紹介ならエージェントが担っている仕事です。

わたしたちが運用してきた中では、料率の差よりも「毎週スカウトを送る時間を確保できるか」で成果が分かれます。手数料の比較は、人材紹介の手数料と返戻金制度の記事もあわせてどうぞ。

成功報酬型と定額型、どちらを選ぶ?

ダイレクトリクルーティングの成功報酬型と定額型のどちらが安いかは、1年に採る人数で決まります。スカウトを送る人の時間は、定額型の費用を回収できるかを左右します。

分かれ目は「定額型の年額 ÷ 1人あたりの成功報酬」で出せます。この人数より多く採るなら定額型、少ないなら成功報酬型が安くなります。ただし定額型は、送る時間が取れて採用が進んだときにだけ安くなります。決める順番は次の3つです。

  1. 1年で採りたい人数を決める
    職種ごとに、今後1年で何人採るかを書き出します。人数が決まらないまま見積もりを比べると、料率の安さだけで選ぶことになります。
  2. 1人あたりの成功報酬を出す
    想定する理論年収に料率を掛けます。賞与や手当を含めるかで金額が変わるので、各社の理論年収の定義に合わせて計算します。
  3. 送る人の時間を週単位で書く
    誰が週に何時間スカウトを送るかを決めます。定額型は送らない週の分も料金に含まれているため、時間が取れないなら成功報酬型から始めるほうが安全です。
例:見積もり前の試算表

① 1年で採りたい人数:法人営業2名

② 想定の理論年収:1人600万円(月給40万円×12か月+賞与120万円)

③ 成功報酬型の費用:600万円×15%×2名=180万円

④ 定額型の見積もり:年額240万円

⑤ 分かれ目:240万円÷90万円=約2.7名。3名以上採るなら定額型、2名までなら成功報酬型が安い

⑥ 送る人と時間:人事の佐藤が毎週火曜・木曜に1.5時間ずつ(週3時間)。この時間が取れない月が続くなら、④の定額型は回収できないので成功報酬型にする

架空の会社の記入例です。料率15%はリクルートダイレクトスカウトの料金ページの値、定額型の年額240万円は説明のための仮の数字です。

Coachers編集部の考察

成功報酬型は「採れなければ0円」と言われます。けれど、採れない間に使った人事の時間は0円になりません。費用の比較には、送る人の時間も入れて考えたいところです。

スカウトは、候補者体験の最初の接点です。スカウトを開いた候補者は、次に求人票や採用サイトを見てから、面談に進むかを決めることが多いはずです。スカウトの費用は、その先の求人票や面談の準備とつながって初めて回収できます。

求職者目線

スカウトを受け取った候補者からは、会社がいくら払っているかは見えません。見えるのは、文面が自分の経歴を読んで書かれているかどうかだけかもしれません。安い型を選んでも、送る文面が一斉送信に見えれば、返信は来にくくなるはずです。

運用を外に任せる場合は、送った通数ではなく、返信率と面談数を毎月どう動かしたかを報告してくれるかを確かめます。その報告の中身で、任せる相手が介在価値を出しているかを比べられます。文面の組み立てはスカウトメールの書き方にまとめています。

今日からできる3つ

  1. 採りたい人数と理論年収を先に書き出す
    人数と年収が決まれば、成功報酬型と定額型の分かれ目を1行の計算で出せます。営業担当に「何人採る前提の見積もりか」を同じ条件で伝えられるので、各社の金額をそのまま並べて比べられます。
  2. 見積もりで理論年収の定義と返金の決まりを確かめる
    同じ15%でも、賞与や手当を含めるかで1人あたりの金額は変わります。早期退職時の返金の有無も、実際の負担を左右します。
  3. スカウトを送る時間を週の予定に先に入れる
    どちらの型でも、送らなければ採用は0人です。予定に入っていない作業は後回しになりやすいので、時間の確保を契約より先に決めます。

よくある質問

Q. ダイレクトリクルーティングは人材紹介より安いですか?

手数料だけなら安くなりやすいです。リクルートの解説では人材紹介は理論年収の30〜40%が多く、成功報酬型のダイレクトリクルーティングには15%の例があります。ただし候補者を探して口説く時間は会社側が持ちます。

Q. 初期費用0円のサービスなら、費用はかかりませんか?

かかります。たとえばリクルートダイレクトスカウトは初期費用0円ですが、採用が決まると入社時の理論年収の15%がかかります。0円で始められることと、費用がかからないことは別です。

Q. スカウトの運用を外に任せるときは、何を確かめればいいですか?

送った通数ではなく、返信率と面談数を毎月どう動かしたか、文面をどう書き換えたかを報告してくれるかを確かめます。報告の中身で、任せる相手を比べられます。

あわせて読みたい

出典

株式会社リクルート「リクルートダイレクトスカウト 料金」2026年10月23日閲覧 directscout.recruit.co.jp

株式会社リクルート「ダイレクトリクルーティングの費用は?料金形態や目安、効果的な活用方法を解説」2024年6月20日 directscout.recruit.co.jp

株式会社リクルート「転職エージェントの費用の目安とは?中途採用にかかるコストを解説」2024年10月3日 directscout.recruit.co.jp

厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」2026年3月31日公表 mhlw.go.jp

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