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オファー面談で何を話すか──中途入社者の壁1位は仕事の進め方の違い46.1%

オファー面談で何を話すか──中途入社者の壁1位は仕事の進め方の違い46.1%

内定を出したあとのオファー面談は、年収や勤務時間、休日といった条件をすり合わせる場だと考えられがちです。けれど、入社した人がつまずきやすい場所は、条件の話とは別のところにもあります。

厚生労働省が2025年1〜2月に行った調査で、中途採用で入社した2,079人に入社直後の問題点を聞くと、1位は「これまでの勤め先との仕事の進め方の違い」で46.1%でした。「労働時間や休日」は10.2%です。

この記事では、オファー面談とは何をする場かを整理したうえで、条件の確認で終わらせずに「仕事の進め方」を伝える方法を、面談で渡せる1枚の型にしてまとめます。

オファー面談とは、何をする場か

オファー面談とは、内定を出したあと、候補者が承諾を決める前後に行う面談のことです。合否をつける選考ではなく、労働条件や仕事内容をすり合わせ、入社への不安を解く場として使われます。

「条件面談」「処遇面談」と呼ぶ会社もあります。年収や役職、入社日などを提示し、候補者の質問に答えるのが一般的な流れです。

ひとつ押さえておきたいのは、オファー面談が労働条件通知書の代わりにはならない点です。賃金や労働時間などの労働条件は、労働契約を結ぶときに明示することが労働基準法で定められています。

条件の中身は、いずれ書面でも候補者に届きます。だとすれば面談の時間は、書面に載らない話に使うほうが、候補者にとって価値があります。

入社直後につまずくのは、労働時間や休日より仕事の進め方

中途採用で入社した人が入社直後に感じた問題の1位は、「これまでの勤め先との仕事の進め方の違い」で46.1%でした。厚生労働省の調査研究で、中途採用・経験者採用者2,079人が複数回答で答えた結果です。

中途入社者が入社直後に感じた問題(複数回答)。1位はこれまでの勤め先との仕事の進め方の違い46.1%、仕事の内容33.9%、会社や職場の文化・風土28.9%、労働時間や休日は10.2%

「労働時間や休日」は10.2%で、「その他」を除くと最も少ない項目でした。なお、この設問の選択肢に賃金や処遇は含まれていません。

2位は「仕事の内容」33.9%、3位は「会社や職場の文化・風土」28.9%です。1位と3位は、入社して実際に働いてみて初めて差に気づきやすい種類の話です。

仕事の進め方とは、誰にどこまで相談してから決めるのか、報告は口頭かチャットか、会議で何を決めるのか、といった日々の流儀のことです。前の職場で身についた流儀ほど、自分では違いに気づきにくいものです。

なお回答者は、調査に協力した企業の人事担当者を通じて依頼を受けた中途入社者です。すべての転職者の平均ではない点は、差し引いて読んでください。

オファー面談で渡したい「進め方」の話

オファー面談で、条件の確認に加えて配属先の仕事の進め方を伝えておくと、入社直後の問題の1位に、入社前から手を打てます。

伝える中身は、次の4つに絞ると準備が軽くなります。

  • 相談と決裁:誰に、どこまで相談してから決めるのか
  • 報告と連絡:日々のやり取りは口頭・チャット・メールのどれが中心か
  • 会議と予定:どんな定例があり、入社後2週間は何をするのか
  • 期待する成果:最初の3か月で、何ができていれば順調と見るのか

4つめの成果の物差しは、調査で「要求される成果」を問題に挙げた人が14.4%いたことにもつながります。何ができれば順調なのかは、言われないと前の職場の基準で測ってしまいがちです。

話す役は、人事より配属先の上司が向いています。進め方は部署ごとに違うので、人事が全社の話として説明すると、また一段抽象的な話に戻ってしまうからです。

口頭で話すだけでなく1枚にして渡しておくと、入社後に候補者が見返せます。

例:オファー面談で渡す「働き方の1枚」

①相談と決裁:〈  〉までは自分で判断、超えたら〈役職〉に相談
②報告と連絡:日々は〈手段〉が中心、急ぎは〈手段〉
③会議と予定:定例は〈曜日・会議名〉、最初の2週間は〈やること〉
④期待する成果:3か月後に〈状態〉なら順調と見る

記入例(架空のB社・施工管理職):①部材手配は10万円まで自分で判断、超えたら課長に相談/②日々はチャット、現場の急ぎは電話/③定例は月曜朝の工程会議、最初の2週間は先輩の現場3件に同行/④3か月後に小規模な現場1件を一人で段取りできれば順調

4項目とも、求人票にも労働条件通知書にも載らない話です。だからこそ、面談で渡す意味があります。

もう1つ、1枚には書きにくくても面談で触れておきたいのが将来の見通しです。同じ調査で入社者に聞くと、将来の業務内容やキャリアパスは、どの人材タイプでも「企業との面談」で知ったという回答が最も多くなりました。

一方、将来的な賃金は、管理職を除く3つの人材タイプで「開示されていない」が「企業との面談」を上回り、3〜4割台に達しています。面談で話さなければ、ほかの経路ではなかなか伝わりません。

Coachers編集部の考察

オファー面談を、候補者を口説く最後の場として準備している会社は多いと思います。ただ今回の調査を読むと、入社した人がつまずいていたのは、働く時間や休日より、初日から始まる日々の段取りのほうでした。

採用の分野では、良い面だけでなく仕事の実際の姿を入社前に伝えることを、RJP(現実的な仕事情報の事前提供)と呼びます。仕事の進め方は、求人票では伝えにくく、面談でこそ渡せるRJPです。

求職者目線

内定を受け取った候補者は、年収などの条件をすでに提示され、他社と見比べているはずです。承諾の前に確かめたいのは、自分がその職場で仕事を回せるかどうか、なのかもしれません。

わたしたちが現場で見てきた限りでも、中途入社者が戸惑うのは、能力の足りなさより、前の職場で当たり前だった段取りが通じない場面のほうが多いと感じています。

承諾を後押しするのは、年収の上乗せだけではありません。入社初日の自分の姿が具体的に思い浮かぶことも、その一つになるのではないでしょうか。

今日からできる3つ

  1. 次のオファー面談に、配属先の上司を同席させる
    進め方は部署ごとに違うため、人事だけで話すと全社の一般論になりがちです。入社直後の問題の1位が「仕事の進め方の違い」だった以上、その違いを説明できる人が出るのが近道です。
  2. 「働き方の1枚」を、募集中の1ポジション分だけ作る
    相談と決裁・報告と連絡・会議と予定・期待する成果の4行で足ります。全部署分を一度に作ろうとすると止まるので、次に面談がある1件から始めてください。
  3. 将来の見通しを、面談で話す項目として決めておく
    同じ調査では、将来的な賃金を「開示されていない」と答えた入社者が、人材タイプ別に3〜4割台いました。書面に書きにくい話ほど、議題に入れておかないと誰も話さないまま入社日を迎えます。

よくある質問

Q. オファー面談とは何ですか?

内定を出したあと、候補者が承諾を決める前後に行う面談です。選考ではなく、労働条件や仕事内容をすり合わせ、入社前の不安を解消するために行います。「条件面談」「処遇面談」と呼ばれることもあります。

Q. オファー面談で労働条件を伝えれば、書面は不要ですか?

不要にはなりません。賃金や労働時間などの労働条件は、労働契約を結ぶときに明示することが労働基準法で定められており、一部の事項は書面などでの明示が必要です。面談は、書面に載らない話を補う場と考えてください。

Q. オファー面談には誰が出るべきですか?

条件の説明は人事、仕事の進め方の説明は配属先の上司、と分けるのがおすすめです。厚生労働省の調査では入社直後の問題点の1位が「これまでの勤め先との仕事の進め方の違い」(46.1%)で、これを具体的に話せるのは配属先の人だからです。

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出典

厚生労働省「中途採用・経験者採用者が活躍する企業における情報公表その他取組に関する調査研究 結果報告書」2025年3月・調査2025年1月16日〜2月14日・労働者アンケート n=2,079(図60〜64) mhlw.go.jp

厚生労働省「令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます」 mhlw.go.jp

中村 尚人

中村 尚人 取締役 / ディレクター

新卒で株式会社日立製作所に入社。2021年にCoachers立ち上げメンバーとして参画。採用関連のクリエイティブやマーケティングの戦略設計、ディレクションを担当。

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