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面接評価シートの作り方──中途採用は項目を絞り、次の面接官へ渡す欄を足す

面接評価シートの作り方──中途採用は項目を絞り、次の面接官へ渡す欄を足す

面接評価シートを作ったのに、一次と二次で評価が割れる。そこで項目を足し、シートがだんだん長くなっていく。中途採用の現場で、わたしたちがよく見かける流れです。

けれど、評価をそろえるのは項目の数ではありません。質問と評価基準を先に決めておく「構造化面接」は、2022年に発表された研究で、調べた採用手法の中で仕事の成果を最もよく予測していました。

この記事では、中途採用の面接評価シートに入れる項目の数、評価段階の決め方、一次から二次へ判断を渡す欄の作り方を、1枚の型と記入例でまとめます。

面接評価シートとは、何をそろえるための紙なのでしょうか

面接評価シートとは、面接で確かめる項目と、項目ごとの評価基準を1枚にまとめ、面接官全員が同じ物差しで判断するための紙です。

役目は2つあります。1つは、面接官によって評価が割れるのを防ぐこと。もう1つは、なぜ採った・なぜ見送ったのかを、あとから言葉で説明できるようにすることです。

中途採用では、この紙の中身がポジションごとに変わります。見るのは、前職での経験や実績が自社でも再現できるかどうかだからです。

汎用のテンプレートをそのまま使うと、「コミュニケーション力」「主体性」のように、誰にでも当てはまる言葉が並びがちです。言葉だけの欄は、面接官ごとに違う意味で埋められます。

土台にある考え方は、構造化面接です。全員に同じ質問をし、あらかじめ決めた基準で評価する面接のやり方を指します。

Sackettらが2022年に過去のメタ分析を見直した論文では、構造化面接の予測力(仕事の成果との相関)は0.42で、調べた採用手法の中で最も高い値でした。

研究ごとのばらつきは大きいものの、評価シートは、その構造を面接の現場で守るための道具です。

面接評価シートの評価項目は、いくつに絞ればよいのでしょうか

中途採用の面接評価シートの項目は、そのポジションで外せない力を3つ、多くても5つに絞るのが目安です。項目は、増やすほど印象で埋める欄が増えていきます。

1つの力を過去の行動まで掘り下げるには、相応の時間がかかります。1時間の面接で項目が10個あれば1つに数分しか割けず、残りの欄は面接官の印象で埋まります。

項目の出どころは、求人票の「必須要件」と「求める人物像」です。求人票に書いていない力が評価シートに並んでいたら、それは面接官ごとの好みが紛れ込んでいるサインです。

要件そのものが多すぎる場合は、先に要件のたな卸しから始めるほうが早く片づきます。

評価の段階は、4段階のように真ん中を作らない形をおすすめします。5段階だと迷ったときに「3」へ寄りやすく、これは中心化傾向と呼ばれる評価のくせです。

ただし、段階の数より効くのは、各段階の線を文章で書くことです。「3=こう答えた人」と書いてあれば、別の面接官も同じところで線を引けます。

反対に、評価シートから外したい欄もあります。

  • 「コミュニケーション力」など、定義を書いていない言葉だけの欄
  • 家族や出身地など、本人の適性や能力と関係のない事柄を書く欄
  • 理由を書く場所がない「総合評価」だけの欄

一次から二次へ、評価シートで何を渡せばよいのでしょうか

面接評価シートの最後に「次の面接で確かめること」を書く欄を足すと、一次面接の判断が二次に渡り、同じ質問の繰り返しが減ります。

中途採用では、一次を現場の責任者や人事が、二次を役員が担うことがよくあります。二次の面接官が一次の点数だけを見ると、結局また経歴を最初から聞き直すことになります。

ここで気をつけたいのは、懸念をそのまま渡さないことです。「押しが弱そう」と書いて渡すと、二次の面接官はその目で候補者を見てしまいます。先入観に合う材料ばかり拾う、確証バイアスと呼ばれるくせです。

そこで懸念は、確かめる問いの形に直して渡します。「押しが弱そう」ではなく「価格交渉で引かなかった場面があるかを聞く」。こうすると、二次は一次の続きから面接を始められます。

例:中途採用の面接評価シート1枚(型と記入例)

①ポジション〈  〉/面接の段階〈一次・二次〉
②見たい力〈3つまで〉:力ごとに、質問〈直近1年で〜した場面を教えてください〉と、4段階の線〈「3=基準を満たす」を文章で〉
③評価〈4・3・2・1〉と根拠〈候補者の発言をそのまま1行〉
④総合判定〈次へ進む・見送る〉と理由〈1行〉
⑤次の面接で確かめること〈問いの形で1〜2行〉

記入例(架空):法人営業・一次面接。見たい力「自分で決める力」。質問「直近1年で、上司に確認せず自分で決めた商談を教えてください」。評価3、根拠「過去3件の受注率を見て、値引き幅を自分で決めた」。総合判定:次へ進む。次の面接で確かめること「新規開拓の経験は2年。ゼロから顧客リストを作った場面があるかを聞く」。※書き方を示すための架空の文面です。

Coachers編集部の考察

評価シートは、社内だけで使う道具に見えます。ただ候補者体験の流れで見ると、求人票で約束した「求める人物像」と、内定時に伝える期待とをつなぐ継ぎ目にあります。

求人票に書いた力を面接で確かめ、内定の場で「この力に期待しています」と伝える。この3つがそろって初めて、評価シートの作業が採用の結果に効いてきます。

求職者目線

一次でも二次でも同じ経歴を一から話すことになった候補者は、「社内で話が共有されていない会社なのかな」と受け取るかもしれません。

反対に、二次の冒頭で「一次で伺った値引きの判断の続きを聞かせてください」と始まれば、自分の話がきちんと届いている会社だと感じてもらいやすくなるかもしれません。

中途採用のお手伝いで内定者の方に志望度が上がった理由を伺うと、面接で話がつながっていたことを挙げる方がいます。

評価シートの申し送り欄は、見極めの精度を上げる道具であると同時に、「この会社は話が通じる」と伝える道具にもなります。

今日からできる3つ

  1. 今の評価シートの項目を数え、求人票の必須要件と突き合わせる
    5つを超えていたら、求人票に書いていない項目から外します。求人票に無い項目は、面接官ごとの好みで点が割れやすいところです。
  2. 各項目に「3=基準を満たす」の線を1文で書く
    点数の欄だけだと、迷ったときに真ん中へ寄ります。線が文章になっていれば、面接官が違っても同じところで判断できます。
  3. シートの末尾に「次の面接で確かめること」の欄を足す
    懸念を問いの形で渡すと、二次は一次の続きから始められます。候補者に同じ話を二度させずに済み、面接の時間も深掘りに回せます。

よくある質問

Q. 面接評価シートは、新卒と中途で分けたほうがよいですか?

分けるのが基本です。新卒は入社後に伸びる力を見ることが多く、中途は前職での経験や実績が自社で再現できるかを見ます。見る力が違うので、項目と質問も変わります。

Q. 評価は5段階と4段階、どちらがよいですか?

5段階は真ん中の「3」に寄りやすいため、4段階など真ん中を作らない形がおすすめです。ただ、段階の数より、各段階の線を文章で書いておくことのほうが評価をそろえる効果は大きくなります。

Q. 評価シートは面接中に書いたほうがよいですか?

根拠になる発言は面接中にメモし、点数は面接が終わった直後、ほかの面接官と話す前に付けるのがおすすめです。話し合ったあとに付けると、発言の強い人の評価に寄りやすくなります。

あわせて読みたい

出典

Sackett, P. R., Zhang, C., Berry, C. M., & Lievens, F.「Revisiting meta-analytic estimates of validity in personnel selection: Addressing systematic overcorrection for restriction of range」Journal of Applied Psychology, 107(11), 2040–2068(2022年) pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

Society for Industrial and Organizational Psychology「Is Cognitive Ability the Best Predictor of Job Performance? New Research Says It’s Time to Think Again」(上記論文の解説) siop.org

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