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採用ミスマッチの原因に「伝えたつもり」──仕事内容を「ある1週間」で書く記入例

採用ミスマッチの原因に「伝えたつもり」──仕事内容を「ある1週間」で書く記入例

仕事内容は、求人情報で十分に伝えられている。そう答えた採用担当者は6割を超えます。採用支援を手がけるオールイン株式会社が2026年7月に行い、10月に公表した調査では、仕事内容の具体性を「十分に伝えられている」と答えた採用担当者が61.8%でした。

ところが、「十分に伝わっていた」と答えた求職者は43.7%にとどまります。採用ミスマッチは見極めの失敗として語られがちですが、この差は、会社が「伝えたつもり」でいる求人情報の側にも原因があるかもしれないことを示しています。

採用ミスマッチの意味と原因を整理したうえで、求人票の仕事内容の欄を入社後の「ある1週間」で書き直す手順と、法人営業の記入例をまとめました。

採用ミスマッチとは何か?なぜ起きるのか?

採用ミスマッチとは、入社前に会社と本人が思い描いていた仕事や職場と、入社後の実際とが食い違っている状態です。

原因は大きく2つに分けられます。会社が人を見誤る「見極めのずれ」と、本人が会社を見誤る「情報のずれ」です。

見極めのずれは、面接や評価の場で起きます。経歴や受け答えから期待した力と、実際の力が違っていた、という形です。

情報のずれは、もっと手前の求人票や採用サイトで起きます。本人が読んで思い描いた仕事と、入社後に任された仕事が違っていた、という形です。

ミスマッチの対策というと、適性検査や面接の工夫に目が向きがちです。けれど情報のずれは、会社が「もう伝えた」と思っているぶん見直されにくい、というのがわたしたちの実感です。この記事ではこちらを扱います。

採用ミスマッチの原因は、求人情報のどこにあるのか?

採用ミスマッチにつながる求人情報のずれは、オールイン株式会社の調査では「仕事内容の具体性」で最も大きく出ています。

仕事内容の具体性を「十分に伝えられている」と答えた採用担当者は61.8%、「十分に伝わっていた」と答えた求職者は43.7%でした。

差は18.1ポイントで、尋ねた5項目のなかで最大です。調査は2026年7月にインターネットで行われ、同じ5項目を会社側と求職者側の両方に尋ねています。

回答したのは、採用担当者416名と、直近に入社した経験のある就業者828名(新卒412名・中途416名)です。

求人情報が十分に伝わっているかを肯定した割合。仕事内容の具体性は採用担当者61.8%・求職者43.7%、職場の雰囲気・文化は55.3%・41.7%、上司・チームメンバーの人柄は50.3%・38.4%

図にしたのは、5項目のうちリリース本文に数値が載っている3項目です。肯定した割合は、同社の調査レポートによると「とてもそう思う」「ややそう思う」の合計です。

同社の発表によると、会社側は5項目すべてで肯定が50%を超えました。求職者側は、50%を超えた項目が1つもありません。

読むときの注意が1つあります。同社の調査レポートによると、会社側は自社について、求職者側は企業一般について答えています。同じ会社を両側から見た数字ではないため、傾向として受け取ってください。

そのうえで目を引くのは、図の3項目のうち、会社側の肯定が最も高い「仕事内容」で、差も最も大きいことです。

雰囲気や人柄は、もともと文章で伝えにくいものです。一方で仕事内容は「求人票に書いた」という手応えがあるぶん、読んだ人にどう届いたかを確かめる機会が少ないのかもしれません。

仕事内容の欄は、どう書けば採用ミスマッチを減らせるのか?

採用ミスマッチを減らすには、求人票の仕事内容の欄に業務の名前を並べるのではなく、入社後の「ある1週間」を時間の流れで書きます。

誰と、何を、どのくらいの割合でやるのかが分かると、読む人は自分の経験と照らし合わせて「できそうか」「やりたいか」を判断できるからです。

仕事内容が「伝えたつもり」になるのは、書く人がその仕事をよく知っているからです。「法人営業」「経理全般」の一語で、社内の人には1日の様子まで浮かびます。

読む人が思い浮かべるのは、前の会社の法人営業であり、前の会社の経理です。同じ言葉から、別の仕事を想像しています。わたしたちが求人票を見直す場面でも、ずれはここで見つかることが多くあります。

1週間で書くときは、次の4つが入っているかを確かめます。

  • 時間の割合:どの業務に、週のおよそ何割を使うか
  • 相手:社内の誰と組み、社外の誰とやり取りするか
  • 任される範囲:一人で決めてよいことと、相談する相手
  • 負担になりやすい点:忙しい時期や、人によっては合わない場面

4つめは書きにくい項目ですが、外さないでください。入社前に仕事の実際を、良い面も負担になる面も伝える考え方は「RJP(現実的職務予告)」と呼ばれます。

先に知らされていた負担は、入社後に「聞いていなかった」という落差になりにくい、という考え方です。

例:仕事内容の欄(法人営業・入社3か月目のある1週間)

① 仕事の全体像:営業6名のチームの1人として、既存の取引先約40社を担当します。新規の開拓は、入社半年までは行いません

② 月(週の約2割):チームの朝会と、その週に訪問する8社分の提案資料づくり

③ 火〜木(約6割):取引先への訪問が1日2〜3件。移動は社用車で片道30分〜1時間です。夕方に見積書を作ります

④ 金(約2割):受注した案件の納期を製造部門と調整し、営業部長と30分の振り返り

⑤ 任される範囲:値引きは5%まで担当者の判断で決められます。それを超える場合は営業部長に相談します

⑥ 負担になりやすい点:月末の3営業日は受注の締めが重なり、1日1〜2時間の残業があります。社内で過ごす時間は短く、外回りが苦手な方には負担に感じる仕事です

架空の会社の記入例です。人数や割合は説明のための数字で、実在の企業や平均値を示すものではありません。

「法人営業をお任せします」の一行と比べると、読む人が判断できる材料の数が違います。外回りが週の6割と知って応募をやめる人も出ますが、その人は入社後に同じ理由で悩んだかもしれない人です。

この文面は、求人票だけでなく採用サイトの職種紹介やスカウトの文面にも使えます。面接官にも同じものを渡しておくと、面接で語られる仕事と求人票の仕事が食い違いません。

Coachers編集部の考察

仕事内容が伝わらないのは、文章の上手い下手よりも、書く人が仕事を知りすぎているという構造の問題だと考えています。人事や現場の誰かが怠けているわけではありません。社内の言葉を、社外の人の言葉に直す役が決まっていないだけです。

もう1つ、仕事内容の欄は求人票の中だけで完結しません。応募のあとに面接官が語る仕事、内定のときに示す条件、入社した週に実際に任される仕事まで、同じ内容が続いてはじめて「聞いていた通り」になります。

求職者目線

調査で仕事内容が「十分に伝わっていた」と答えた求職者は43.7%でした。そう答えなかった人が、半数を超えています。

わたしたちが見てきた限り、御社の求人票を開いた一人の候補者は、「法人営業」の一語から前の会社で過ごした1週間を思い浮かべます。その人が比べているのは御社の実際の仕事ではなく、自分の頭の中にある仕事なのかもしれません。

採用ミスマッチは、面接で見抜く前に、伝える段で減らせる部分があります。求人票の1週間と入社後の1週間が同じであること。そこから始めるのが、いちばん手の届きやすい一歩だと考えています。

今日からできる3つ

  1. いまの求人票を、その仕事を知らない人に読んでもらい、1週間の仕事を説明してもらう
    家族や他部署の人で構いません。説明が止まった所が、伝わっていない所です。知っている人ほど「知らない人の読み方」を想像しにくくなる現象は「知識の呪い」と呼ばれ、書いた本人の見直しだけでは抜けを見つけにくいためです。
  2. 配属先の社員1人に、先週の予定表を見ながら10分聞く
    どの業務に何割の時間を使ったかを、記憶ではなく予定表から拾います。割合が入ると、読む人は自分の前職の1週間と比べられます。人事が想像で書くと、ここがいちばんずれやすい箇所です。
  3. 負担になりやすい点を1行足し、同じ文面を面接官にも渡す
    先に伝えた負担は入社後の落差になりにくい、というRJPの考え方に沿った一手です。求人票と面接で仕事の説明が食い違うと、候補者はどちらを信じてよいか分からなくなります。

よくある質問

Q. 採用ミスマッチとは何ですか?

採用ミスマッチとは、入社前に会社と本人が思い描いていた仕事や職場と、入社後の実際とが食い違っている状態です。会社が人を見誤る「見極めのずれ」と、本人が会社を見誤る「情報のずれ」の2つに分けて考えると、対策を立てやすくなります。

Q. 仕事の大変な面まで書くと、応募が減りませんか?

応募の数は減る可能性があります。ただ、入社前に仕事の実際を伝えておくほうが入社後の落差は小さくなる、というのがRJP(現実的職務予告)の考え方です。合わない人が応募の前に気づければ、選考の手間と入社後のミスマッチの両方を減らす方向に働きます。

Q. 仕事内容は、面接で詳しく説明すれば足りますか?

面接での説明は、面接に来た人にしか届きません。求人票を読んだ段階で応募するかどうかを決める人には、求人票に書かれたことがすべてです。面接で補うことと並行して、求人票の仕事内容の欄そのものを具体的にしておくことをおすすめします。

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出典

オールイン株式会社「【1,244名調査で判明した、採用ミスマッチの構造的ギャップ】企業の6割が「伝えている」つもりなのに、求職者の4割しか「伝わっていない」」2026年10月8日公表・調査時期2026年7月・インターネットリサーチ(調査協力:株式会社マクロミル)・企業採用担当者416名/求職者828名(新卒412名・中途416名) prtimes.jp

オールイン株式会社「RECRUITMENT SURVEY REPORT 企業と求職者、1,244名の“ズレ”を可視化する。」(上記リリースの添付資料。回答の対象と肯定率の定義を参照) prtimes.jp

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