苦労して採用した方が、思ったより早く辞めてしまう。「あんなに良い人だったのに、なぜ?」――そんな経験、ありませんか。
大卒新入社員の3年以内離職は、近年約32%で高止まりしているといわれます。そして入社後の「受け入れ」、いわゆるオンボーディングは、多くの会社で“担当者の頑張り”に任されているのが実情かもしれません。
ある調査では、担当者の7割超が「デジタル化・標準化は早期離職の防止に効く」と感じています。今日は、属人的になりがちな受け入れを“仕組み”に変える道すじを、一緒に考えてみたいと思います。
オンボーディングとは、入社後の「立ち上がりを支える設計」のこと
オンボーディングとは、入社した人が職場になじみ、早く力を発揮できるよう、計画的に支える一連の取り組みのことです。最初の研修だけを指すのではなく、入社前から最初の90日あたりまでを“ひと続きの体験”として設計するという考え方が近いと感じています。中途採用の方は「即戦力だから大丈夫」と思われがちで、かえって放っておかれやすい、という声もよく聞きます。
KEY DATA
「デジタル化・標準化は早期離職防止に影響する」
7割超
オンボーディング担当者332名の回答(Fleekdrive調査)
大卒新入社員の3年以内離職率
約32%
近年は高止まりが続く
数字が示しているのは、「人が辞めるのは縁の問題」では片づけられないということだと思います。受け入れを個人の善意や記憶に頼ると、担当が変わるたびに質がぶれ、抜け漏れも起きます。逆に言えば、流れを“見える化”して標準にするだけで、防げる離職もあるのかもしれません。
属人化から抜け出す、オンボーディング4ステップ
特別なツールがなくても、まずは「いつ・誰が・何を伝えるか」を時間軸で並べるところから始められます。最初の90日を4つの区切りで設計してみる例が、こちらです。
STAGE FLOW
STAGE 1入社前(内定〜初日まで)
連絡の空白をつくらないことから。配属・初日の流れ・持ち物を事前に共有し、入社前から「歓迎されている」と感じてもらえる小さなひと声を添えます。
STAGE 2初日〜最初の1週間
「困ったら誰に聞けばいいか」をはっきり渡します。相談先を決め、3か月後に期待する役割を言葉にして共有すると、最初の不安がぐっと減ります。
STAGE 3〜30日(小さな成功体験)
最初に「やりきれる仕事」を意図的に用意します。短い1on1で困りごとを早めに拾い、できたことには小さく反応する。手応えが定着の芽になります。
STAGE 4〜90日(戦力化・定着)
入社時に伝えた「期待する役割」へ、どこまで届いたかを一緒に振り返ります。フィードバックと次の目標をセットで渡し、「ここでやっていけそう」を確かなものに。
この4ステップは、立派な制度というより「抜け漏れをなくすチェックの順番」に近いものです。一度1枚にまとめておけば、担当者が代わっても同じ品質で回せますし、改善点も見つけやすくなります。属人化をほどく第一歩は、頭の中にある段取りを外に出すことなのかもしれません。
よくある迷いに、お答えします
FAQ
A
中途採用でも効きます。むしろ「即戦力だから」と放置されやすいのが中途の方です。前職とのやり方の違いや人間関係の再構築には、丁寧な立ち上がり支援があると安心につながります。
A
専任がいなくても、「流れを標準化する」だけで負担は減らせます。誰がやっても同じになるよう手順を共有しておけば、その都度考える時間が要りません。調査でも担当者の7割超が、標準化は離職防止に効くと感じていました。
A
最初の90日について、「いつ・誰が・何を伝えるか」を1枚に書き出すところからで十分です。完璧でなくて大丈夫。直近で入社した方の体験を思い出しながら、抜けていた点を足していくと現実的なものになります。
C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から
オンボーディングは「定着の話」だと思われがちですが、わたしたちは採用の続きだと捉えています。入社前に伝えた魅力と、入社後に体験する現実。この2つがそろっているほど、「思っていたのと違う」というギャップは小さくなります。
これはHRブランディングそのものでもあります。求人や採用サイトで描いた「うちで働くとこうなる」という約束を、最初の90日でそっと裏づけていく。採用サイトの情報設計という視点で見ると、外向けに語っていることと中の受け入れがちぐはぐだと、せっかくの一貫性が途切れてしまいます。
わたしたちCoachersも、日々の業務に追われると受け入れがつい後回しになりがちです。だからこそ、頑張りではなく仕組みで支える。小さな一歩でも、半年後の「辞めない・活躍する」につながっていくと感じています。
今日からできること
ACTIONS
✓
最初の90日を「1枚の地図」にしてみる
いつ・誰が・何を伝えるか。直近で入社した方を思い浮かべながら、4ステップに沿って書き出してみませんか。まずは下書きで十分です。
✓
「最初に任せる仕事」を1つ決めておく
やりきれる小さな仕事があると、早い段階で手応えが生まれます。入社初週に渡せるタスクを、あらかじめ用意しておくと安心です。
✓
求人で伝えた魅力と「中の現実」を見比べる
募集時に約束したことが、入社後にちゃんと体験できているか。ズレていそうな点を1つ見つけたら、それが見直しの起点になります。
FREE DOWNLOAD
採用活動チェックシート
5領域 × 25問で、採用の盲点を5分で可視化。中小企業の人事担当者向けに、設計/集客/サイト/選考/定着の5カテゴリでまとめた自己診断シートです。わかる質問はスキップOK。気軽にどうぞ。
CONTACT
「採って終わり」にしない採用を、一緒に。
Coachersは、求人広告・採用サイト・採用ブランディングを通じて、入口の魅力づけから入社後の体験までを一貫させる採用づくりをお手伝いしています。受け入れの設計から見直したい、というご相談も歓迎です。
お問い合わせフォームへ ›
中村 尚人 取締役 / ディレクター
新卒で株式会社日立製作所に入社。2021年にCoachers立ち上げメンバーとして参画。採用関連のクリエイティブやマーケティングの戦略設計、ディレクションを担当。
中村 尚人 取締役 / ディレクター
新卒で株式会社日立製作所に入社。2021年にCoachers立ち上げメンバーとして参画。採用関連のクリエイティブやマーケティングの戦略設計、ディレクションを担当。
THANK YOU FOR READING.記事一覧に戻る ↗