同じ会社が同じ月に出した2つの求人でも、採りにくさは同じではありません。
2026年7月の有効求人倍率は、一般事務が0.29倍、建設躯体工事が7.94倍。求職者1人あたりの求人数で、約27倍の開きがあります。
職種別の倍率の読み方と、倍率が高い職種・低い職種で募集の何を変えるかを、1枚のシートに落とすところまで書きます。
職種別の有効求人倍率は、どれくらい開いているのか
2026年7月の有効求人倍率は、職業計で1.05倍、一般事務が0.29倍、建設躯体工事が7.94倍でした。厚生労働省「一般職業紹介状況」の職業別の表の数字です。
倍率は「有効求人数 ÷ 有効求職者数」。1倍を超えるほど、求職者1人を複数の会社が取り合っている状態を指します。
なお職業別の表は常用(パート含む)の原数値で、報道される全体の1.18倍(季節調整値)とは集計の範囲が違います。職種の比較に使う数字です。
ハローワークで扱った求人・求職だけの数字で、民間の転職サービスは含みません。それでも職種の間の開きの大きさは読み取れます。
中間の職種も並べておきます。自社の募集職種に近いものを探してください。
- 保安(大分類)6.54倍・土木作業 6.49倍
- 建築・土木・測量技術者 5.46倍・機械整備・修理 3.88倍
- 介護サービス 3.82倍・自動車運転 2.53倍
- 営業 2.05倍・商品販売 1.73倍
- 生産工程(大分類)1.59倍・情報処理・通信技術者 1.34倍
なぜ同じ市場で、職種によって27倍も開くのか
職種で倍率が開くのは、求人が多いからではなく、その職種で仕事を探している人が少ないからです。倍率の分母は求職者の数です。
建設躯体工事の有効求人は19,298件、ハローワークでこの仕事を探している人は全国で2,432人。47都道府県で割れば50人ほどになります。
一方、一般事務は有効求人120,593件に対して有効求職者415,773人。求人1件あたり3.4人が並んでいる計算です。
ここが「応募が来ない」の受け止め方を変えます。担当者の頑張りや求人票の出来より先に、分母が足りない市場かどうかで打ち手が決まる。掲載を増やしても、いない人は増えません。
倍率が高い職種・低い職種で、何を変えるのか
倍率が高い職種は「集める」より「選ばれる」設計に、倍率が低い職種は「集める」より「返す」速さに、予算と手間を寄せます。
倍率が7倍を超える職種では、求職者が同時に何件もの求人を見比べています。文字だけの求人票では差がつきにくい領域です。
現場の写真、働いている人の一日、使っている設備。外から見えない部分を先に出すほうが、条件を一段上げるより効くことがあります。
応募条件も、倍率が高いほど開きます。経験年数や資格を1段下げ、入社後に育てる範囲を先に決めておくと、分母そのものを広げられます。
逆に一般事務のように1倍を大きく下回る職種は、応募は集まります。勝負は見極めと連絡の速さで、一次連絡の速さは面接の日程調整、初動5分と3日で予約率21.7pt差で扱いました。
自社の募集職種を倍率で並べると、この切り替えが1枚で見えます。
①職種〈 〉/②近い分類の有効求人倍率〈 倍〉/③いまの月あたり応募数〈 件〉/④主な打ち手〈集める・選ばれる・返す のどれか〉
記入例(架空):①施工管理/②5.46倍(建築・土木・測量技術者)/③月2件/④選ばれる(現場写真3枚と、入社3年目の一日を求人票に追加)
採用の打ち手は会社単位で語られがちですが、市場は職種単位で動いています。同じ人事が同じ月に出した2つの求人が、まったく違う競争の中にある。
建設躯体工事を探している人の側から見ると、平均して一人あたり8件の求人がある計算です。わたしたちが現場で見てきた限り、そこで先に開かれるのは条件が特別な求人ではなく、働く場所と人が見える求人でした。
倍率は、その職種の「選ばれにくさ」の目安でもあります。数字を見てから求人票を開くと、直す場所が変わります。
今日からできる3つ
- 募集職種を倍率で並べて1枚にする
会社単位で「応募が来ない」と診断すると、0.29倍の職種と7.94倍の職種に同じ薬を出すことになります。まず職種ごとに分けます。 - 倍率が高い職種は、条件を1段開いて見える材料を足す
分母である求職者の数は、募集を増やしても増えません。入口を広げるか、選ばれる材料を出すかのどちらかしか残りません。 - 倍率が低い職種は、集める費用を返す速さに回す
応募はすでに来ています。返信と日程提示が遅いほど、同じ人の他社の選考が先に進みます。掲載の追加より効きます。
よくある質問
Q. 職種別の有効求人倍率はどこで見られますか?
厚生労働省「一般職業紹介状況」の参考統計表6に、職業の大分類・中分類ごとの倍率が載っています。毎月公表され、2026年7月分は同年8月に出ました。
Q. 倍率が1倍を下回る職種は、採用が簡単ということですか?
応募は集まりやすい一方、決まりやすいかは別です。一般事務は求人1件あたり3.4人が並ぶため、見極めと連絡の速さで差がつきます。
Q. 自社の職種が表に見当たりません。
表は大分類と中分類が並ぶので、近い分類で見ます。施工管理なら「建築・土木・測量技術者」、設備保全なら「機械整備・修理従事者」が目安です。
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出典
厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」2026年8月公表・参考統計表6(常用/パート含む・全国計) mhlw.go.jp / 参考統計表PDF 001741200.pdf



