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現場職の中途採用──建設業の77.4%が人手不足、求人票に足す現場写真3枚

現場職の中途採用──建設業の77.4%が人手不足、求人票に足す現場写真3枚

求人を出しても、現場職だけ応募が来ない。媒体を変えても、掲載の期間を延ばしても、反応が変わらない。

日本商工会議所・東京商工会議所が2026年9月15日に公表した調査では、建設業の77.4%が人手不足と答えている。運輸業72.2%、介護・看護業70.5%。全体の60.0%をはっきり超える。

応募が来ていないのではない。同業の多くが同じ時期に人を探し、その大半が採用を強める側に回っている。この記事では、その競り合いのなかで求人票に足す「現場写真3枚」の型を渡す。

現場職の中途採用で、応募が集まらない理由

現場職の中途採用で応募が集まらない一番の理由は、同じ業種の企業が同じ時期にそろって採用へ出ていることにある。日本商工会議所・東京商工会議所が全国の中小企業2,654社に聞いた2026年の調査では、建設業の77.4%が人手不足と回答している。

全体は60.0%。建設業はそこから17.4ポイント上にいる。

業種別に見た人手不足と回答した企業の割合。建設業77.4%、運輸業72.2%、介護・看護業70.5%、宿泊・飲食業67.5%、製造業58.5%。

不足を訴える割合が高い業種ほど、同じ経験者を取り合う相手の数も多い。

この数字は「うちの求人が弱い」という話とは別のところにある。募集を出した時点で、同じ資格・同じ経験を持つ人の前に、同業他社の求人が何本も並んでいるということだ。

人手不足と答えた企業のうち48.2%は、事業運営に影響・支障が出ている深刻な状況だと答えている。相手も切羽詰まっている。

人手不足の会社の4社に3社が、同じ打ち手を選んでいる

人手不足と答えた中小企業1,592社のうち75.7%が、対策として「採用活動の強化」を挙げている(複数回答)。2位の「デジタル・機械・AI等による省力化」は40.2%で、35ポイント以上の差がある。

つまり、人が足りないと感じた会社の4社に3社が、同じ出口に向かっている。増えた求人は、そのまま同じ求職者の画面に並ぶ。

ここは担当者の努力不足の話ではない。個人の頑張りで説明すると打ち手を見失うので、構造として見ておきたい。全員が同時に同じ入口へ並んでいるという状況そのものが、応募数を押し下げている。

だとすれば、差がつくのは「採用を強化するかどうか」ではない。強化した先で何を見せるかのほうだ。

条件より先に効くのは、写真のほう

現場職の求人でまず手を入れたいのは、条件の数字ではなく現場の写真である。給与や休日は同業のあいだで大きくは動かせないが、働く場所が見えているかどうかは、会社ごとにまるで違うからだ。

採用の世界にはRJP(Realistic Job Preview・現実的職務予告)という考え方が知られている。良いところだけを見せるより、仕事の実際をそのまま先に見せたほうが、入ってからのズレが小さくなる、という枠組みだ。

現場職では、この「実際」が文章だと伝わりにくい。「鉄骨の建方」「墨出し」と書いても、経験者以外には映像が浮かばない。写真は、その一行を一瞬で肩代わりする。

きれいに撮る必要はない。むしろ、整えすぎた写真は現場の情報を落としてしまう。決めるのは3枚の役割分担だ。

例:求人票に足す現場写真3枚の型

①〈働く場所〉が分かる引きの1枚+「〈時間帯〉、〈場所〉。〈その日の作業〉」
②〈一緒に働く人〉が写る1枚+「〈名前〉さん(入社〈 〉年目・〈前職〉)」
③〈使う道具・設備〉の寄り1枚+「〈道具名〉。〈未経験者がどう覚えるか〉」

記入例(架空):①朝7時、市内の戸建て現場。この日は基礎の墨出し。②田中さん(入社3年目・前職は飲食)。③レーザー墨出し器。使い方は最初の2週間、先輩と2人1組で覚えます。

3枚が答えているのは、求職者が最初に置く問いだ。どこで働くのか。誰と働くのか。自分にできそうか。

Coachers編集部の考察

現場職の採用が苦しいとき、最初に動かしたくなるのは掲載料と給与です。どちらも効きますが、同業の7割が同時に不足を訴えている以上、上げた分はすぐ横並びに戻ります。

求職者目線

わたしたちが現場で見てきた範囲では、現場職を探している人は求人を何本も開いたうえで、条件がほぼ同じ数社まで絞り込んでいます。そこから先を決めているのは、たいてい条件ではありません。

写真が1枚もない求人は、同じ条件でも「様子が分からない会社」として後回しになります。

条件で並ばれたときに、残りを決めるのは情報量です。写真3枚は、その差を一番安く作れる場所にあります。

今日からできる3つ

  1. 今週の現場で3枚撮る
    引き・人・道具の3枚を、スマートフォンでそのまま撮ります。撮影の日を決めないと「そのうち」で止まるので、次に人が集まる日を先に押さえてください。
  2. 1枚に1行のキャプションを付ける
    時間帯・場所・作業内容のどれかを必ず入れます。写真だけだとイメージ画像と見分けが付かず、RJPとして機能しません。
  3. 同業の求人を3本並べて見る
    同じ職種の掲載を3本開き、写真の枚数だけ数えます。自社が一番少ないなら、条件ではなくそこが最初に埋める差です。

よくある質問

Q. 現場写真はプロに撮ってもらわないと効果が出ませんか?

求人票に載せる段階では、スマートフォンで撮ったもので足ります。求職者が見たいのは写真の出来栄えではなく、働く場所と人の様子だからです。採用サイトや動画など長く使う素材は、その段階でプロに頼めば足ります。

Q. 社員の顔を出すのが難しい場合はどうしますか?

手元・後ろ姿・作業中の横顔でも、人がいることは伝わります。顔の写った写真を使うときは本人の同意を取り、キャプションの名字だけを載せるなど範囲を決めておくと進めやすくなります。人が1人も写っていない写真だけは避けてください。

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出典

日本商工会議所・東京商工会議所「多様な人材の活躍等に関する調査」集計結果 2026年9月15日公表・調査期間2026年7月21日〜8月21日・回答企業数2,654社(人手不足への対策はn=1,592) jcci.or.jp

中村 尚人

中村 尚人 取締役 / ディレクター

新卒で株式会社日立製作所に入社。2021年にCoachers立ち上げメンバーとして参画。採用関連のクリエイティブやマーケティングの戦略設計、ディレクションを担当。

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