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人材紹介の手数料、1件平均103万円──契約前に見る手数料表と返戻金制度

人材紹介の手数料、1件平均103万円──契約前に見る手数料表と返戻金制度

人材紹介会社に1人を紹介してもらうと、手数料はいくらかかるのか。厚生労働省の集計で割り戻すと、令和6年度は1件あたり約103万円でした。

前年度より10.9%上がっています。しかも手数料の99.7%は、国が一律に決めた額ではなく、紹介会社がそれぞれ届け出た料金表に沿って払われています。

この記事では、人材紹介の手数料の決まり方と、契約前に公的なサイトで確かめられる3つの項目、紹介会社を並べて比べる表の型をまとめます。

人材紹介の手数料は1人あたりいくら?

人材紹介の手数料は、厚生労働省の集計では常用就職1件あたり約103万円です(令和6年度・前年度比10.9%増)。

この数字は、紹介会社が国に出す事業報告をまとめたものです。常用就職に係る手数料の総額(約9,136億円)を、有料職業紹介の常用就職件数(約88.9万件)で割った値です。

市場全体も伸びています。手数料収入の合計は、令和2年度の約5,240億円から令和6年度は約9,835億円へ、4年で約1.9倍になりました。

民営職業紹介事業の手数料収入:令和2年度 約5,240億円、令和3年度 約6,315億円、令和4年度 約7,703億円、令和5年度 約8,362億円、令和6年度 約9,835億円

合計には臨時・日雇の紹介の手数料も含みます。1件あたりの単価の変化は、常用就職1件あたりの前年度比(10.9%増)で見るのが正確です。

ただし、103万円は医師や看護師、役員の紹介まですべて含めた平均です。自社が中途で採る職種と年収で、実際の金額は上下します。

相場を1つの数字で覚えるより、「何で金額が決まるか」を押さえるほうが、見積もりを読むときに役立ちます。

手数料は誰がどう決めている?

人材紹介の手数料は、ほとんどが紹介会社ごとに決めた料金です。

職業安定法で、紹介会社が求人企業から受け取れる手数料には2つの方式があります。法令で決まった額や上限の範囲で取る「上限制」と、紹介会社が料金表を厚生労働大臣に届け出て取る「届出制」です。

令和6年度の手数料収入のうち、99.7%が届出制でした。つまり料率も計算の基準も、会社ごとに違うのが前提です。

中途採用の紹介では、採用した人の年収に一定の料率を掛ける形がよく使われます。見積もりで確かめたいのは次の4点です。

  • 料率は何%か、職種や年収で変わるか
  • 計算の基準になる年収に、賞与や手当を含むか
  • 支払いは入社時か、それ以外に着手金などがあるか
  • 早く辞めた場合に、手数料の一部が戻るか

4点目は「返戻金制度」と呼ばれます。制度の有無や中身も会社ごとに違うため、次の章で確かめ方を見ます。

契約前に何を確かめればいい?

人材紹介会社と契約する前には、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で、その会社の手数料表と返戻金制度を確かめられます。

職業安定法で、紹介会社はこのサイトへの情報提供が義務づけられています。対象は、手数料表の内容、返戻金制度の有無と中身、紹介で就職した人の数などです。

見落とされやすいのが、期間の定めのない雇用で就職した人のうち、6か月以内に解雇以外の理由で辞めた人の数です。前年度分が毎年10〜12月に載ります。

営業担当の説明だけで決めず、同じ3項目を2〜3社分並べると、料金と紹介の質を同じ物差しで比べられます。

例:紹介会社を並べて比べる表

1社につき1行。①会社名〈  〉 ②料率と計算の基準〈〇%・年収に含むもの〉 ③支払い時期と着手金〈  〉 ④返戻金制度〈有無・何か月以内でいくら戻るか〉 ⑤無期雇用の就職者数と6か月以内の離職者数(解雇以外)〈〇人中〇人〉 ⑥自社の職種の紹介実績〈担当に聞く〉

記入例(架空):①A社 ②年収の35%・賞与を含む ③入社月末に一括・着手金なし ④あり・1か月以内の退職で50%返金 ⑤120人中6人 ⑥施工管理は昨年度8名

②〜④が「いくら払うか」、⑤と⑥が「その額に見合う紹介か」です。表は料率の低さではなく、両方の釣り合いで読みます。

Coachers編集部の考察

人材紹介の手数料は成功報酬なので、「採れたら払う」だけの費用に見えます。けれど実際には、紹介会社は御社の候補者体験の入口を預かっています。

候補者は紹介会社の担当から御社を聞き、求人票を読み、面談に進みます。その先の面接や内定の連絡は御社の手元に戻ります。紹介の手数料は、この一連の流れのうち最初の数歩に払うお金です。

求職者目線

紹介会社から御社を勧められた一人の候補者は、担当者の説明だけでなく、自分でも採用サイトや求人票を調べているかもしれません。担当が話した内容と御社の発信がずれていれば、そこで迷いが生まれることもあるはずです。

だからこそ、手数料の比較と同じくらい、紹介会社に渡す求人票と会社の説明をそろえておくことが、103万円を活かす近道だと考えています。

今日からできる3つ

  1. 今の契約書で、料率と計算の基準を確かめる
    同じ料率でも、年収に賞与や手当を含むかで支払額が変わります。基準が分かれば、採用予定の年収から1人あたりの額を先に見積もれます。
  2. 人材サービス総合サイトで、取引先の返戻金制度を見る
    返戻金制度の有無と中身は、紹介会社に公開が義務づけられています。早期離職で戻る額と条件が分かれば、紹介1件あたりの実質の負担を見積もれます。
  3. 紹介会社に渡す求人票を、自社の求人票と見比べる
    担当者は渡された資料で候補者に御社を説明します。仕事内容や募集背景が自社の発信とそろっていれば、面接で「聞いていた話と違う」を減らせます。

よくある質問

Q. 人材紹介の手数料はいつ払いますか?

支払いの時期や着手金の有無は、紹介会社ごとの料金表と契約で決まります。成功報酬型では入社を条件に請求されることが多いため、契約前に支払い時期を書面で確かめておくと安心です。

Q. 紹介で入社した人がすぐに辞めたら、手数料は戻りますか?

返戻金制度があれば、一定期間内の退職で手数料の一部が戻ります。制度の有無と中身は会社ごとに違い、厚生労働省の人材サービス総合サイトで各社の情報を確かめられます。

あわせて読みたい

出典

厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」2026年3月31日公表 mhlw.go.jp

都道府県労働局「職業紹介事業者の皆さまへ 就職者等の事業実績と手数料・返戻金に関する情報提供は、法律で定められた義務です」(職業安定法第32条の16第3項) jsite.mhlw.go.jp

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